熊本くまもと県けん水俣みなまた市しや天草あまくさ市し、鹿児島かごしま県けん出水いずみ市しなどに住すむ50代だいから100歳さい代だいの144人にんは、手足てあしのしびれなど水俣病みなまたびょう特有とくゆうの症状しょうじょうがあるにもかかわらず、水俣病みなまたびょうに認定にんていされていない人ひとを救済きゅうさいする特別とくべつ措置そち法ほうで対象たいしょう外がいとされたのは不当ふとうだなどとして、国くにと熊本くまもと県けん、原因げんいん企業きぎょうのチッソの3者しゃに1人にんあたり450万まん円えんの賠償ばいしょうを求もとめました。

22日にちの判決はんけつで、熊本くまもと地方ちほう裁判所さいばんしょの品川しながわ英えい基もと裁判さいばん長ちょうは原告げんこく側がわの訴うったえをいずれも退しりぞけました。

原告げんこくのうち25人にんについては、水俣病みなまたびょうにり患りかんしていると認みとめましたが、損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめることができる「除じょ斥期間きかん」が過すぎていると指摘してきし、訴うったえを退しりぞけました。

国くにの救済きゅうさい策さくの対象たいしょうは、水俣みなまた湾わん周辺しゅうへんの「対象たいしょう地域ちいき」に1年ねん以上いじょう住すんだ人ひとで、チッソが有機ゆうき水銀すいぎんの排水はいすいを止とめた翌年よくねんの1969年ねん11月つき末まつまでに生うまれた人ひととしていて、裁判さいばんではこうした救済きゅうさい策さくの基準きじゅんの妥当だとう性せいなどが争あらそわれました。

同様どうようの集団しゅうだん訴訟そしょうの初はじめての判決はんけつで去年きょねん、大阪おおさか地方ちほう裁判所さいばんしょは原告げんこく全員ぜんいんを水俣病みなまたびょうと認みとめて国くになどに賠償ばいしょうを命めいじており、判断はんだんが分わかれるかたちとなりました。

原告げんこく側がわ「すべての被害ひがい者しゃの救済きゅうさいを求もとめる」

熊本くまもと地方ちほう裁判所さいばんしょでは、多おおくの人ひとが傍聴ぼうちょう券けんを求もとめて抽ちゅうせんに参加さんかしました。裁判所さいばんしょによりますと、一般いっぱんの傍聴ぼうちょう席せき10席せきに対にたいして185人にんが並ならんだということで、倍率ばいりつは18.5倍ばいでした。

判決はんけつが言い渡いいわたされると、熊本くまもと地方ちほう裁判所さいばんしょの前まえでは原告げんこく側がわの弁護士べんごしが「不当ふとう判決はんけつ」「すべての水俣病みなまたびょう被害ひがい者しゃの救済きゅうさいを求もとめる」と書かかれた紙かみを掲かかげました。原告げんこくや支援しえん者しゃは、涙なみだを浮うかべたりうなだれたりしていました。